9.内装の作成


いよいよラスト,内装の作成である。
外装とは違って反射しわを気にすることもないので苦労は少ないが,
パーツの数は膨大なのでどこまでやるかはそのときそのときで‥。

屋根の裏側です。まず滅多に見ないところなので裏地が見えないようにするということで適当に。


リアのパネルを作っていく。
ワイヤーフレームで見るとこんな感じ。


これに合わせる感じでサイドも作成。
線形状で選択している部分は斜めなので「せん断」で傾ける。


一気に飛んでしまって申し訳ないがリアは各パーツがこういった感じ。


ワイヤーフレームで。
ボディと違い反射形状でないため,ポインタを調整するときに面に気を使わずに作っていける。
反面,非常に複雑な形状である場合が多いので,
「ワイヤーフレームをどう引いていくか」を事前にしっかりイメージする必要がある。


後部座席。
シートは実際は布を使ってできているものであるため,
布と同じように自由曲面を描けてしまう場合が多いのでイメージは楽。
多少のしわができても,むしろリアリティがでる場合も。


続いてダッシュボード。
セラはメインとコックピット部の2つがある。
メインは複雑でない分簡単に描けたが,助手席下の部分の処理がいまいち良い処理が浮かばず,
考えるのが面倒なので-形状の直方体で切り抜き。

コックピットはかなり複雑である。自由曲面で描けるイメージがでない‥。

ちょっと置いといてペダルの作成。
ペダルを正面から見たときの形状の掃引体(青)を側面から見たように*形状2つ(グレー)で削る。


参考のためブレーキの方だけ分解してみた。
黄形状はさきほどのグレーの*形状,
そこにわらにテクスチャーの&形状(緑)を貼り付けている。
縦横比が違うだけでアクセルとブレーキは同じ作り。
 (レンダリング結果)

コックピットに戻る。
やはり自由曲面では無理がありそうなのでホイール以来のポリゴン登場。
相変わらずポリゴンは苦手なので自由曲面でできるだけ作成してからポリゴンメッシュ変換。
特にエアコン穴の部分は完全な円を描くのは無理があるので自由曲面から変換した方が早いと思う。


残りの小さな穴部分は,わずかに角が取れている程度の四角い穴ばかりなので,
全部ポリゴンでやっていくとキリが無い上に汚くなりそうだったので,
「*形状+&形状バンプテクスチャ)」のオンパレードで回避。
ちなみにメーター上のフタ形状は普通の自由曲面。


レンダリング結果。
結果よければすべてよし。



ハンドルの作成。

円を「回転体」でベースを作ったら,自由曲面に変換。
線形状1つ1つの「形状情報」の「閉じた線形状」チェックをすべてはずし,
半分になるよう無駄な線形状を削除してハンドルの輪は完成。

スポークの出ている箇所に線形状を追加したらポインタを引っ張り出す。
あとは形になるよう調整して終わり。
実はこのやり方だと裏側が違った形になるのだが,ハンドルの裏側なんて見ないので見ないので無視
中央部は‥ワイヤーフレームを見ての通り。車によってここは全く違ってくるので説明は割愛。

ちなみにこの中央部にはバンプテクスチャの&形状がどんと覆いかぶさる。

トヨタマークは凸,ホーンマークと淵は凹のため,
トヨタマーク=白→ベース=グレー→=ホーンマークと淵=黒
にしてバンプを再現。
バンプ効果は半分になってしまうが,凹凸具合がでかくなければこれでいける。

ハンドル後ろ部分。これもワイヤーフレームを見ての通り。
右側に鍵穴(青)があるため左右非対称。


操作レバー。断面の開いた線形状を回転体にして自由曲面に変換,形を調整。


ハンドルすべてのレンダリング結果。


メーター。
ここも普段は実車写真を1枚貼り付けて終わりなのだが,
動画で針を動かす後の計画もあってShadeで作成。
実車写真の上に針を置いてみたが写真ではどうしてもメーターが真円にならず,
Shadeでメーターを作成,真正面からレンダリングしたものをテクスチャとして貼り付け,
という過酷な二度手間をしている。


レンダリング結果。
上のテクスチャ(トリム)部分が下の繰り返しになっているが,これはZ軸方向に貼り付けているため。
コックピットで隠れる部分なので気にしない。


その他,エアコン口,オーディオなどなど。
左上のハザードボタンとリアデフォッガーボタンがXYZ軸方向に斜めなために作成に苦労した。
エアコン口はせっかくなので可動できるように。(右,レンダリング結果と比較)
 

ダッシュボードのメインに戻る。
助手席側エアコン口をへこませた。上の長方形は噴出し口のテクスチャ貼り付け。
コックピットのメーターがかぶる部分は,自由曲面を分けてその部分だけをなくした。


エアコン口。かなり分かりにくいが*形状ばかりである。


センタートンネル。
下に見える回転の軸はギアシフトのもの。シフト,動く。


Dレンジ。
パネルの部分は実車と同じつくりで表示も変わる。完全に自己満足。


最終レンダリング結果。


シート。後部座席で説明したように布の針合わせと同じように作成。


テクスチャは実車から撮影したものをペイントショップでシームレス画像に。
ずれが起きないような元画像を切り取るのにはちょっと苦戦。


レンダリング結果。


シートベルト。


これで内装すべてが完成である。


あとは小物系を1つ1つ片付けていった。

マフラーは資料がなかったため,実車の下を眺めつつ,RX-8のCGのマフラーをそれに合わせて変形。
シルエットしか見えない部分なので。

ワイパーに至ってはアルシオーネSVXのときに作成したものを延々流用している。
車体にあわせて大きさや曲がり具合を変えてやるだけ。


これにて完成!!お疲れ様でした!!!


いかがでしたでしょうか?少しは参考になったでしょうか?
開始から3年以上も経ってしまい,Shadeはこの間に8になり9にまでなってしまいました。(泣)
実は,セラCGが完成してからShade9を購入しました。
モデリングに便利な機能が色々搭載されていて,地味な変更でも関心しているところです。
ただ,形状を作っていく基本的な過程やテクニックはそのまま使えたのでとりあえず一安心しています。


ここまでのShadeデータ
SERA.zip(19.3MB) ※Shade7用
SERA_new.zip(19.3MB) ※Shade8以降用(パスジョイントを削除しています)
※ZIP解凍してから,Shadeで使用してください。
※あくまでメイキングの参考としてご使用ください。他の用途での一切の使用は禁止です。
※Shade7.5で作成されたデータです。Shade9で開いたところ,表面材質の光沢が変わっているなどしました。
 レンダリングの「互換」を『Shade7.5』にすることで元の材質でレンダリングできるようです。


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