アニメ「エクスドライバー」劇場版 ロータス・ヨーロッパ・スペシャル 製作日記

遊び半分で作るはずだったのに,ノーマルデロリアン以来の大改造となる作品に‥。
さらには,自作デカールの作成という過酷な難題に挑み,プリンタまで購入することにまで‥。


1:まずはアニメに問題発生!?

OVA「エクスドライバー」で登場するヨーロッパ・スペシャルは,
それこそタミヤから発売されているプラモとまったく同じなのだが,
劇場版では,ただレーシング仕様にしているのかと思えば,どうやらそうでもないようだ。

  

バンパーがない,レーシングシートになった,給油口がサイドに移った‥ここまではレース用に改造したと解釈できそうだが,
ルーフがなだらかに落ちている,リアのエアインテークが1穴→2穴になった,テールランプがあきらかに違う‥など,
とても改造の範囲を超えているように思える‥というのも,これらはヨーロッパの初期型であるS1と非常に酷似しているのだ。

これが意味するものは‥まさか劇場版で3DCGを作る際に,S1を参考に作ってしまったとか!?
いや,それは大の車好きである藤島康介先生が見逃すはずがない。
(ちなみに,劇中のケータハム・スーパー7・R500をお持ちでいらっしゃいます。)

疑問が深まりつつネットサーフィンしていると,ヨーロッパが発売された当時,
ロータスは47GTというレーシングカーを登場させていたことが判明。この写真を見てみると‥
これだー!!カラーリングもそっくり!なるほど,藤島先生は単なるレース仕様にするくらいなら,
実際のレースで行われたモディファイにしちゃえと思ったに違いないだろう。

というわけで,劇中と同じように改造をしても,とくに問題はないようである。


2:ボディの改造

基本的にはパテ埋めのみ。
プラパテをラッカー系うすめ液で溶かした”溶きパテ”で隙間を埋める。
ラッカー系うすめ液は模型店では売っておらず,日用品店の塗料コーナーで購入。

・バンパーにあたる部分をパテ埋め。
・ドアノブ穴を埋め,ドアの脇を削る。
・給油口は,ピンバイスで穴を開けた後,プラスドライバーをグリグリさせて穴を広げる。最後は裏にプラ板接着。
  

・エンジンフードのインテークは,プラ板+パテで2つずつに分ける。
・フロントウィンカーもカッターで切り落とした後にパテ埋め。
  

・フェンダー下は一体成形なので,間のバーを削った後,隙間をパテ埋め。
・ルーフの付け足しは,模ったプラ板を瞬間接着剤でくっつけた後,ボディに馴染むようにパテ埋め。
  

ヤスリがけ→サーフェイサー(グレー)→追加パテ埋めを繰り返し,
最後はサーフェイサー(ホワイト)→ホワイト(つやあり)で完了。


しかしその後,フロントエンブレムはないので凸部分を削り,ルーフも微妙に形が違っているのでそこも削るなど,
スプレー後にもかかわらず,さらなる修正をする羽目に‥。


3:シートの作成

同じものを2つ,パテで成形するのは正直めんどい。
かといって,シートのためだけに別のプラモを買ってくるのは‥。
しかたなく自作開始‥と思ったら,こんなのが売ってることがのちに発覚‥

・ヘッド部分を切り落とし,エポキシパテで造形。(ちゃんと室内に収まるか確認!)
予想以上に上手くいった。自分をほめてやりたい。(笑)

・一晩おいて硬化させた後,ベルト穴をピンバイスであけ,ヤスリがけで仕上げる。
・ベルト穴周りをシルバーで着色。かなりそれっぽくなった。


4:ナビコンピュータの作成

せっかくここまで手間を掛けたので,ダッシュボードについているナビも作成。

 

材料は,プラ板-1mm厚と0.4mm厚,画面枠は余ったドアノブ(笑),フレーム枠の円柱部分,
画面はクリアープラ板を切らしていたので,いらないクリアファイルを切り取って作成。(ぉぃ
ドアノブが結構合っていて良かった。


5:デカールの作成

このプラモを作るうえで,一番の問題となったのが,デカールの作成であった。
最初はエプソンのラベルシートを使う予定だった。
しかし,レガシィやギャランのナンバープレートを作成したとき「厚い」ということが気になった。
ボディにデカデカと張るには,あまりにシールっぽくて使えそうにない,と思ったのである。

そこで,家庭用プリンタで印刷できる模型用デカール用紙がないかネットで探してみた。
すると,プラモ界では,アルプス電気のマイクロドライ・プリンタWAVEのクリアデカールを用いて作ることが有名だということが判明。
マイクロドライはインク(のかたまり)を熱転写するもので,一般の水性インクを飛ばすインクジェットプリンタとは違い,
水に通すデカールに強いだけでなく,”白”インクが搭載されているので,本格的なデカールを作れるのである。

このプリンタ,現在は通販でしか購入不可,しかも機種はMD5500の種類だけ。値段はおよそ5万円!
ヤフオクでは1万円以下で中古が取引されているが,プラモのために買うにはちと高い。

なんとかインクジェットプリンタでデカールが作れないかと探っていたら,
巷では,SUPER CALというインクジェット用デカール用紙と,タトゥーシール(エレコムTooの2社ある)が使われているらしい。

「SUPER CAL(スーパー・カル)」は,きれいに印刷するのにちょっとコツがいるみたいだけど使えそう。
ただ,海外の製品で,ネットのどの記事も古いなど,現在は入手が可能か不安‥ネット通販では在庫残りらしきものがいくつかあるけど。

「タトゥーシール」は模型専用ではないが,実際に使った方のページを見ると悪くはなさそうだ。
大きな電気店なら扱っているらしいので,運がよければすぐに入手できそうだ。


まずはプリンタ購入だ〜!

続く。。。