兄弟車であるボーラとメラク。
プラモメーカーが違う上、旧キットなのでボディの寸法に違いが生じていると思われるため、
明らかに違和感のあるところは、お互いをすり合わせていこうという作戦で、2台同時に制作を開始しました。


上がクラウンのボーラ、下がグンゼのメラク。


一目で目に付く違いは、ボンネットの長さ。メラクのほうが長いです。


どちらのボンネットの長さが実車に近いのかを調べようとしたところ、 

別冊CG「スーパースポーツカー・レビュー(上)」のボーラのページに側面図を発見しました。 
驚くべきことに、記載のサイズは丁度1/24サイズでしたので、これとプラモを比較してみることにします。


2台をそれぞれ合わせてみると、ボーラもメラクもフロントタイヤの中心から後ろはほぼ寸法通りでした。
つまりオーバーハングに間違いがあることになります。

図面のオーバーハングの長さを測ると…41ミリです。 
次にメラクを測ってみると…約41ミリです。 
そしてボーラを測ってみると…約38ミリです。 
よってボーラの方が3ミリほど短いことになります。 

ボーラのボンネットを3ミリ延長することが決まりましたので、 
プラのこで切り離し、そこに3ミリのプラ板をはめ込んで調整することにします。


ボディの再接合をする前に、リトラクタブルヘッドライトの大きさを合わせます。
ボーラのボディにメラクのパーツをはめてみると…


ボーラはメラクに比べ、縦に長く、横に短いことが分かります。 
実車の写真などと検証したところ、これもメラクの方が正しそうです。 
グンゼ版メラクは良いという巷の評判は正しいことがうかがえます。 

横方向に広げ、縦方向に足りない部分には、プラ板とパテで埋めます。


最後に、1ミリプラ板からメラクのパーツと同じものを作成します。
これでメラクとボーラのライトの大きさが同じになりました。 
ただ1つ問題が出ます。
ボーラのボンネット上のエアダクトの大きさと位置も修正する必要が出てきます。
しかし一石二鳥の名案が。ボーラのType1ではエアダクトが無かったので、
この際に埋めてType1にしてしまいます。デザインもオリジナルに近づきます。



いよいよ再接合です。ボンネットとフェンダーに、幅3ミリのプラ板を接着していきます。 
当然ホイールアーチの前半分も3ミリ追加する必要がありますが、今回はメラクに合わせていくので、
「おゆまる」でメラクのフェンダーの型を取り、光硬化パテでアーチを複製しました。


接着が完了しました。
あとは接合部にパテを盛りヤスリをかけプラサフを吹いていきながら修正を繰り返していきます。


大体の修正が終わりました。まだ少し修正が必要な部分が残っていますが、延長した部分は分からなくなりました。 


一方、メラク。ボンネットはもちろんそのままですが、ティンスポイラーが邪魔なので除去。




幸いなことに、スポイラーの裏にフェンダーとシャーシのかみ合わせは残っています。
その上にかぶせる形でプラ板を貼り付け。シャーシ側はゴテゴテした部分が目立つようになったのである程度除去。



メラクとの比較。ボンネットの長さ、リトラの縦横比率の違和感はなくなりました。


次に違和感があったのが、フロントウィンドウの大きさ。ボーラのほうが大きいです。


こちらもメラクに合わせ、ボーラ側の上端をプラ板で埋めました。
この写真の時点で測ったところ、少々短くしすぎたので、このあと1ミリ後退させました。

まだ違いがあるところも少々ありますが、「違和感」というほどでもないので、改造はここまでにします。

ボーラのモールドが非常にだるいので、


ひたすらスジ彫りをしていきます。


ボーラのボディはこれで完了。


メラクはレーシング仕様のプラモということで、リアウィングとエアインテークがついています。
リアウィングは穴を埋めるだけで済みましたが、エアインテークは装着部のスリットがありません。


「おゆまる」で型を取り、レジンでスリットを複製。


足りない部分に埋め込みます。


内装が3ミリほど前に寄っていたので修正。といっても接着位置をずらすだけ。
ただしダッシュボートの前端が当然足りなくなるので、プラ板で付け足し。


ゴムタイヤのチェック。

ボーラは扁平率が低く、少し太い。


メラクは扁平率が高い。(しかも、表裏でタイヤメーカーが違う…)


ということで両方とも交換決定。
2台のホイールを測ったところ、共に実車換算でおおよそ14インチ強でした。

在庫パーツから探しつつ、


これを購入してみました。


左から、 
アリイのミシュランXZX(C111に付いていたと思われる) 
フジミのピレリP7(ピアッツァ) 
アオシマのピレリP7(デロリアン) 
フジミのピレリCN36(ハコスカ) 


ミシュランは実車が当時履いていたタイヤ(XWX)に近いですが、古いプラモのタイヤとあって、少々大味な印象です。 
フジミのP7は角が立っていてパターンも嘘っぽいです。 
アオシマのピレリP7はかなり良さそうですが、残念なことに後輪は幅広です。 
ボーラ・メラクはMR車ですが、前後のサイズは一緒なので、これはいただけません。 

試しに履かせてみることにしました。

左がボーラのホイールにアリイのミシュランXZX、 
右がメラクのホイールにフジミのピレリCN36を履かせたものになります。 
プラモ付属のものよりは幾分マシになったので、これでいくことに。

旧キットにありがちな「ドアの内張りが無い」…このキットも例外ではありませんでした。
黒塗りで済ませようかとも思いましたが、形がCGで描きやすいこと、ひざ掛けの形状が少し違うだけ、
ということでMODELAで出力しました。






バンパーのメッキはミラーフィニッシュで再現。
窓枠などのメッキ部は「Mr.カラースーパーメタリック メッキシルバーNEXT」を使用。


デカールは、ボーラはなし、メラクはありますが恐らく死んでいるので、アルプスプリンタで自作。
・フロントエンブレム
・側面左のジウジアーロエンブレム
・メラクSSのリアエンブレム。(ボーラはエンボスで再現されているため不要)


最後はボディカラー。何色に塗ろうか最後まで決まらず、
結局、Mr.メタリックカラーGXの「GXメタルブラッディレッド」と「GXメタルダークブルー」をそのまま吹きました。


その他、メラクのワイパーとミラーはジャンクパーツから流用。


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