HMEのテーマが「4ドア」と決まった瞬間、「あぁ…長年眠っていたこいつを、ついに作るしかない。」と思いました。
カーモデラーであれば知らない人はいない、「フジミ暗黒時代」の真骨頂と言われるキット。
発売からわずか半年で金型改修が入るほどの酷評ぶりだったほど…。
今回このキットに、真っ向からMODELAをぶつけたらどんな化学変化を起こすかに挑戦してみました。
そのうえで、この車の特徴の1つである「観音開きドア」も再現することに。
まずはキットの状態をご覧いただきましょう。
前述の通り、このキットは大幅な金型改修が入っており、当然ながら購入したキットは改修後のものです。
仮組みした状態です。パーツ数は最小限です。
店頭で改修後のキットかを簡単に見分けるポイントは「フロントバンパーが実車と同じ分割になっているか。」です。
改修前のキットは、何故かフロントバンパーの上部がボディ本体側と一体になってします。(つまりバンパーにパテ必須)
サイド。ドアウィンドウの高さが若干足りない印象を受けますが、全体のバランスは良好。
タイヤの位置はフジミのいつものことなので言及しません…。
フロント。改修後はRX-8の顔に見えます。
ただ、バンパーが全体的に膨れ気味で、下にも垂れ下がっています。
ヘッドライトの造形も最小限以下…。
リア。こちらはデザインの崩れの印象は受けません。
ただしテールランプのメッキパーツが小さいです。どうもここは改修前の名残りのせいな気がします。
さて、内装です。ここは改修されてないと聞いてます…。
ボディを外した時点で、後部座席の位置がおかしいことに気づきます。
シートの座面の狭さ、ダッシュボード&センターコンソールの造形の悪さ…これは酷い。
実車との比較。「これじゃない」とはまさにこのこと…。
ということで、お察しの通り、ダメな部分をMODELAで作ったパーツに置き換えていきます。
MODELAで作るメニューは以下に決定。
・フロントバンパー
・ヘッドライト
・リアランプ
・ホイール
・内装ほぼ全部(ペダル、シフトノブ、サイドブレーキ以外)
・ドア内張り、ボディ内側(ドア周り)+観音開き機構
フロントバンパーを作成する前に、ボディ側と合わせるためスキャンしました。
黄色いのがスキャンしたボディデータ、紫はスキャンしたヘッドライトデータ。
バンパーの向かって左側は昔描いたCGデータ、右側はそこからスキャンデータに合わせて調整したもの。
ヘッドライトとバンパーの出力結果。5ポイントグリルがはっきり5角形に見えませんね…。
ホイール。微妙な違いで印象はだいぶ変わりました。
タイヤはそのまま使えたのは助かりました。
バンパーの造形の修正を繰り返しましたが、高さが1ミリ強足りないことに気づき、結局1からやり直すことに…。
ほぼ全面的に描き直しました。CG上で全て修正したので、出力したまま使います。
テールランプ。こちらもバランスがいまいち(ボディ端が不足気味)のため、リトライ。
リトライ後。
外装が完了したので、次は内装です。
昔描いたCGが手抜き状態で苦労しました…ある意味「自業自得」なんですが…。
ドアヒンジを考える前に、ドアを切り出しスキャンしました。
ドアヒンジは悩みに悩んだ結果、1ヒンジで軽く差し込み、下部は重力まかせで寄りかからせることに。
予想以上に時間を食いましたが…CGデータ完成。
出力結果。
シートの比較です…。
ドアもなんとか工夫して安定して開けた状態にできるようになりました。
プラサフを吹いてチェックを重ね、原型すべてが完成。
…が、このあと後部ドアの手すりを出力し忘れていることに気づきました…。
シリコン型を作りレジンに置き換え。
あとはいつも通り組み立てました。